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昔、ジュースといえば「果汁10%」や酷い場合は「無果汁」など、果汁が100%でないジュースが多く出回っていました。しかし現在のスーパーやコンビニなどでは果汁100%ジュースを見かけることがほとんどです。

 

しかしよく見てみると100%ジュースのほとんどには「濃縮還元」という文字が記載されています。

 

私達が100%ジュースと聞いてイメージするのが、果物の果汁をそのまま絞った「ストレートジュース」のイメージですが、この「濃縮還元」っていったいどんな意味があるのでしょうか?

またジュースが大好きな子供たちに与えても本当に大丈夫なのでしょうか?

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そこで100%ジュースに記載されている「濃縮還元」について、作り方やストレートジュースとの違い、そして一番気になる「濃縮還元」ジュースの栄養価や害などについてご紹介します。

そもそも「濃縮還元」ってどんなジュース?

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「濃縮還元」とは果物や野菜などの原材料からジュースを絞り(搾汁)、その絞った果汁の水分を一度取り除いて濃縮の状態にします。

 

そしてジュースとして製品化するときに再び水分を加えて、元の濃度(100%)に戻して、容器などに充填して製品化していきます。

 

でもどうして一度水分を取り除く必要があるのでしょうか?

 

「絞ったまんまの果汁を容器に充填した方が簡単だし、わざわざ水分を取り除く意味がよくわかんない?」

といった感じですよね。

 

実は果汁から水分を取り除いて「濃縮」することは私達消費者のためでなく、製造する企業にとって大きなメリットがあります。

 

その一つは保存がしやすいこと、もう一つは輸送がしやすいこと。つまり水分を取り除いて量を減らすことによって、輸送や保管に必要なコストを減らすことができるのです。

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例えばオレンジジュース。

日本の市場に出回っているオレンジジュースの原料の多くは日本からみた地球の裏側、ブラジルなどで大量に原料となるオレンジを調達します。そして現地で果汁を絞り、ジュースにして日本に運ぶのですが、その際に果汁を濃縮することでより多くの果汁を運ぶことが可能になりました。

 

例えば船で果汁を運ぶ場合、船1隻で1000トン分の果汁を運べるとした場合、5倍濃縮をすることで5000トン分の果汁を運ぶことができ、5倍の効率アップになります。このように果汁を濃縮することで、輸送コストを大幅に減らすことができるのです。

 

この濃縮の技術が向上したおかげで海外から大量に安く果汁を輸入できるようになり、オレンジジュースを低価格でおいしく飲めるようになったというわけです。

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ストレートジュースとの違い

ではもう一つの100%ジュース、ストレートジュースとはどんなジュースでしょうか?

 

ストレートジュースは果汁100%のジュースなのですが、濃縮還元とは違い、絞った果汁をそのまま容器に詰めたものです。その際に衛生的な観点から加熱殺菌処理が行われています。そのため「生ジュース」とは異なります。

 

ストレートジュースの果汁は原料となる果実の品質がそのまま果汁の品質・味に影響します。果実も工業製品のような均一して品質を保つことは難しいので、収穫した時期、地域、収穫年度によって品質のばらつきが生じるため、「濃縮還元」と違って同じ味をキープするのは難しいといえます。

 

そのため市場にはあまり多く出回っておらず、また他のジュース類に比べて価格が少し高かったりするなど、すこし敷居の高いイメージがあります。

 

では、濃縮還元ジュースの栄養は低いのでしょうか!?

製造方法の違いでジュースの栄養価は損なわれる?

ストレートジュースと「濃縮還元」の違いは先ほど記載しましたが、果汁を濃縮する「濃縮還元」のやり方をみてみるといろいろな濃縮の仕方があります。

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昔は「加熱濃縮法」と呼ばれる高温で加熱して水分を蒸発させて濃縮する方法を用いていました。加熱処理をすることで殺菌処理を兼ねることができる反面、熱によってビタミン類や酵素が破壊されたり、風味が落ちるなどの問題があります。

 

しかし最近では「加熱濃縮法」でなく、「凍結濃縮法」や「真空濃縮法」、「超音波霧化分離」など、過熱処理以外の方法で製造され、これらの方法で作られた濃縮果汁は、濃縮前の果汁とほぼ同じ品質を保つことができます。

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凍結濃縮法

果汁を氷点下に冷却し、含まれる水分を凍結させ、氷の結晶を分離して取り除くことによって濃縮する方法。

真空濃縮法

フリーズドライと同じ原理で、低温下で減圧をし、真空状態で水分を蒸発させて濃縮する方法。

超音波霧化分離

超音波を液体に照射することで霧を発生させ、霧状になりやすい物質となりにくい物質に分離させて濃縮する方法。

濃縮還元は実は危険?

「濃縮還元」された果汁ですが、いくつか問題点があります。それは「濃縮還元」を行うと香りや風味が飛んでしまうこと。そのため食品添加物である「香料」を添加して、風味を保ちます。化学的に合成された香料で香りや風味を付け直すのです。

 

またジュースとして製品化する以上、加熱殺菌処理は必ずしないといけません。しかし加熱処理を行う際に、熱に弱いビタミンなどの栄養素が失われてしまいます。これらの失われた栄養素を補うため、香料と一緒に栄養素を食品添加物で補います。

 

ではいったいどんな添加物が入っているのでしょうか?それを知るには市販されているジュースの側面や裏側に記載されている一括表示を見てみることをオススメします。

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出典

原材料の果物や野菜などのほかに「調味料」「乳化剤」「pH調整剤」「酸味料」「苦味料」、そして「香料」など、いわゆる食品とは違う、怪しい名称=食品添加物が記載されているかと思われます。

 

これらの添加物は多くの種類の化学物質が複合されていますが、一括表示の掲載ルールで1点ずつ詳しく書く必要がなく、「香料」といったように総称が書かれていることがほとんどです。

 

ちなみに化学的に合成された香料は3200種以上あり、それらを組み合わせて作っていきます。

 

たとえば、イチゴの香料なら、酪酸エチル、乳酸エチルアルデヒド、リナロール、アセトフィノン、アルデヒドなど20種類以上を混ぜて、天然に近い香りを作るそうです。

 

しかし一括表示のルールでは「香料」として表記していればOKなので、実際にどんな物質が添加されているか、わからない状態です

 

他にもストレート果汁は甘み成分の糖分を加えることはNGなのですが、濃縮還元の果汁なら糖分を加えてもOKなんです。

 

そのため、糖分に関して言えば、体にいいと思って飲んでいる方もいらっしゃいますが、実はコーラやサイダーなどの清涼飲料水と同じくらいの糖分を摂取しており、体にいいと過信して飲み過ぎて糖尿病になった…なんていうケースもあるそうです。

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まとめ

1:市販の100%ジュースのほとんどは「濃縮還元」。絞った果汁の水分を一度取り除き、製品化するときに再び水分を加えて製品にします。

2:ストレートジュースは「濃縮還元」とは違い、絞った果汁をそのまま容器に詰めたもの。

3:「濃縮還元」にはいろいろなやり方があること。

4:「濃縮還元」を行うことで損なわれた風味や製品化のための加熱処理で失われた栄養素などをおぎうため、「濃縮還元」のジュースには食品添加物や糖分が加えられています。

たしかに手軽で美味しい濃縮還元の100%ジュースですが、安全面を考えると、う~ん?と考えてしまいます。

 

そこでオススメなのがジューサーやミキサーを使い、自分で100%ジュースを作ること。しかしその際にも原材料選びが必要です。

 

特に海外から輸入した果物はポストハーベスト農薬(収穫後の農産物に使用する殺菌剤、防かび剤などのこと)が心配です。

 

少し割高ですが、国産で農薬を使っていない果物、有機栽培のものを使えば、実だけでなく皮まで使うことも可能なのでオススメです。

 

何気なく飲んでいるジュース。大人も子供も選ぶ際には十分注意が必要です。