料理通の中では有名な「空芯菜」

東南アジアではかなりメジャーな野菜として地位を確立していますが、日本ではまだ知らない人も多い野菜かもしれませんね。

そんな空芯菜ですが、知れば知るほど食べたくなる魅力たっぷりなお野菜だったのです。

今回はそんな空芯菜をもっと知るべく、調査してみました。

空芯菜教室 入門編 〜空芯菜とは〜

                       <画像:wiki>

空芯菜は、サツマイモの仲間の植物の一種です。ただし、サツマイモの仲間といっても、地下にイモのようなものができることはありません。

そして、花が同じサツマイモの仲間のアサガオに似てることから、アサガオナとよばれることもあります。

また、沖縄県では比較的古くから食べられていて、「ウンチェー」「ウンチェーバー」などと呼ばれてきました。

アサガオは食べられないの?

ちなみに空芯菜は食べられる、サツマイモも食べられる、なのでアサガオも実は食べられるのかも?と思ってしまう方がひょっとしたらいるかもしれません。

結論からいうと、美味しいかどうかはともかく、とりあえずタネ以外は毒はないそうです。タネ以外は。

アサガオのタネはすごい下剤

タネは、「牽牛子(けんごし)」という生薬(漢方薬の材料)として使われるぐらい、強烈にお腹をくだす作用があります。また、ニホンアサガオとは違って、セイヨウアサガオのタネには毒も含まれているんだとか。

タネは絶対に食べないようにしましょう。特に小さなお子さんがいるお家などは、間違って口に入れてしまわないようにつけて気をつけてください。

チョウセンアサガオは、全部ダメ!!!

また、これらとは別に、チョウセンアサガオという超!危険種があります。これは花も葉っぱも、全てが猛毒です。あまり触れる機会はありませんが、くれぐれもお気をつけて……!

空芯菜を「エンサイ」「ヨウサイ」と呼べるとちょっぴり通?

なんともはや、話がそれました。

そんな空芯菜、別名を「エンサイ」といったり「ヨウサイ」といったりします。どちらも元は中国語で、それぞれ漢字では「蓊菜」「蕹菜」と書きます。どうですか?なんだか、どちらもなじみがない名前ですよね。少なくとも、私はこの名前で呼んだことはありません……。

空芯菜って言葉、普通に使いたいんだけど……。

でも「空芯菜」という言葉は、実はある事業者の登録商標になっていて、あくまで商品として売る時にですが、無断で使うことはできないんだとか(その割には結構見かけるような気もしますが、まあ、そこらへんは……)。。。

国などが一般的な名前として使っているのは、どうやら「ヨウサイ」のようです。

しかし、「エンサイ」と「ヨウサイ」、それぞれどういう意味がある言葉なんでしょう???

まず、エンサイの意味は?

とりあえず、「蓊菜(エンサイ)」という言葉について考えてみましょう。

「菜」はまあふつうに「野菜」という意味だと思いますので、「蓊」という漢字の意味を追ってみるところから……。

この字、ほとんどの方が、初めて見た文字だと思います。そして多くの人が、知らないまま一生を過ごしていきそうな感じでもあります。これをご覧のあなたは、なんでまたこの文字を今目にしているのでしょうか(笑)

気を取り直して「蓊」

また一瞬立ち止まりましたが、気を取り直して「蓊」について改めて調べていきます。

難しい言葉なんですが、森などにびっしりと木が生えている様子のことを「蓊鬱(おううつ)」といいます(よくいわれる「憂鬱」よりも複雑な見た目の熟語ですね……)。

人の名前だと、これ一文字で「しげる」と読むようです。皆さんの知り合いに、いますか?蓊(しげる)さん。

じゃあ、よく茂るからとか、そういう意味???確かに空芯菜、繁殖力は強いですが……。

中国四千年の歴史に頼るある

ここに、中国がおよそ300年前に国を挙げて本気出して作った『康熙字典』という漢字辞典があります。これでも調べてみましょう。

これによると「蓊」は、形容詞としてはびっしりと木が生えている様子のことをいい、名詞としては「茎」を表す意味……という風に書かれています。

空芯菜、確かに茎が目立つというか、特徴的な野菜でもあります。どっちなんでしょうね???

じゃあ、ヨウサイの意味は?

続いて「蕹」という字を康熙字典で調べてみると、「『萃』と同じ」と書いてあります。なかなかの塩対応。いや、何だよ、萃って……。

しょうがないので「萃」という字について調べてみると、これもやっぱり「草が茂っている様子」。

結論は、というと……。

状況証拠的には、どうやらどちらも「すぐに茂る野菜」みたいな書かれ方をしているみたいですね……(すみません、そんなわけで正確な語源はちょっとわかりませんでした……)。

空芯菜の味って、そういえば?

空芯菜の味、って、そういえばなかなか意識することがないような気がします。だいたい炒め物で食べると味付けが濃いですから、なんか「辛い!」「ニンニク味!」みたいなイメージがありますよね。

もちろんまずくはないですけど、味でいうと、そこらへんの唐辛子とかニンニクとかよりもインパクトが小さい味なのかもしれません(って、大抵の野菜はそうか……)。

むしろ、空芯菜は食感担当みたいな感じがしますね。なんか、オーケストラでシンバルを持って、いいタイミングで「ジャーン!」と鳴らす人みたいな位置付けというか。本当か???

工夫してみましょう

まあともかく、炒め物だとそういう位置づけになりますけど、実は意外といろんな料理に使えるのが空芯菜という野菜。ちょっとゆがいておひたしやゴマ和えなどで食べると、空芯菜本来の味も楽しむことができます。

太陽サンサン、空芯菜の収穫の季節がやってきた!

空芯菜の旬は7月〜9月。とはいえ、それ以外の季節でも収穫できないことはありません。ただし、気温がだいたい10℃を下回るとそもそも育たない(枯れてしまう)といわれていますから、それ以外の季節ということになりますね。

私の場合は、一番遅くて11月に売ってあるのを見たことがあります!

沖縄県では長い間採れる、けど……。

もちろん、沖縄県のように一年中気温があまり下がらないところでは空芯菜を長い間育てることができます。しかし、生の空芯菜を沖縄県外に輸送するのは法律で禁止されているので(ある害虫が九州より北に広がるのを防ぐため)、沖縄県で採れた空芯菜が他の県で食べられることはありません。

空芯菜の産地は?どんなところで採れるの???

空芯菜は気温が高くて湿気があるほどいいので、昔は採れたとして沖縄県など南の方だったんですが(上に書いた理由で、なかなか国内にまんべんなく出回ることはありませんでした)、最近は汽水域(海水と真水が混ざる地域)で育つことが明らかになってきました。海とつながった湖や、海に注ぐ河口などがこれにあたります。

空芯菜の育て方は3種類。畑で育てるか、田んぼのように水に浸して育てるか、水辺に草などで浮かぶ島を作って、その上に育てるかです。

汽水域では、この中の3つめ、すなわち浮き島を作って空芯菜を育てることができます。なので、最近ではそのようにして空芯菜を育てるケースも増えてきました。

水のともだち、空芯菜

また最近では、野菜としての人気とは別に、空芯菜を積極的に育てていこうという動きも出ています。空芯菜が、水の中の藻の繁殖を防ぐことが明らかになったからです。

人々の生活を支える水の中に藻が増えすぎると、藻から発生するガスで悪臭が発生して水道水に臭いが残ったり、藻が酸素を消費してしまうせいで水中の生き物が生きられなくなったりと、人々の暮らしに大きな悪影響があります。

空芯菜は水の中の藻にとっての栄養を先取りして吸収できるので、藻の繁殖を防ぎ、しかも水を浄化しつつ自分たち(空芯菜のことです)の栄養として使うことができるのです!!

そんなわけで最近では日本各地で空芯菜が栽培されるようになってきましたが、生産量が多いのはやはり、元々の気候が栽培に向いている沖縄県といわれています。

それでは、まとめますね

  • 空芯菜はサツマイモの仲間で、沖縄では比較的古くから食べられていた
  • 空芯菜は登録商標!なので、仕方なく(?)「エンサイ」や「ヨウサイ」と呼ぶことも……
  • ちなみにエンサイやヨウサイは、どうやら「よく茂る野菜」という意味っぽい(確実ではない)
  • 空芯菜そのものの味は、おひたしやゴマ和えなどで楽しむのが◎
  • 空芯菜の収穫は、だいたい夏。沖縄ではもう少し長く採れるけど、県外持ち出し禁止……
  • 最近は空芯菜がいろんなところで採れることが明らかに。水質改善もできて一石二鳥!

今回はまとめてもまだ長いですが、こういった形になりますね。

お急ぎの方は、これでなんとなくわかってください(笑)

空芯菜、最近ブームが来てるように感じますが、掘り下げるといろんな情報が出てくる野菜でもあります。ワタシとしては好物でもあるので、ぜひぜひ日本の食文化にも定着してもらいたいですね!!