かぶは漬物から煮物、スープ、炒め物に蒸し物…とその活用方法は本当に幅広く、私たちの毎日の健康を支えてくれる心強いお野菜です。

スーパーの野菜売り場で1年を通してお目にかからない日はないかぶ。季節に関係なく、通年で手に入れることができるありがたいお野菜ですよね。

しかし、みなさんはかぶのいわゆる『旬』の時期、ご存知ですか?年中見かけるからこそ、意外といつなのか分からなかったりしますよね。

今日はかぶの一番美味しい旬の時期から産地まで、なかなか普段意識することが少ないかぶのバックボーンに迫ってみたいと思います。

かぶの旬の季節とは?

かぶは春と秋に収穫されるお野菜。そんな「かぶ」の旬の季節はいつなのでしょう?

旬の時期は2回?!

一般的に、かぶの旬の時期は春先と秋の2回と言われています。

3・4・5月ごろの春に収穫されるかぶは『春かぶ』、10・11・12月の秋から初冬にかけて採れるかぶは『秋かぶ』と呼ばれたりしています。

確かにその季節になると、スーパーなどでもいつもよりカブがこんもりと山積みになっているイメージがありますよね!

2回も旬があるなんて、うれしいー!!

でも、どちらかといえばどっちが美味しいのだろう!?美味しいものについてはひたすらリサーチしたい性格の私(笑)さらに調べてみることにしました。

春と秋、どっちの方がおいしいの?

『かぶ』『蕪』『かぶら』さまざまに表記されるかぶですが、陰暦の10・11・12月を示す季語として古くから俳句などにも使われています。江戸時代に活躍した俳人の小林一茶は自身の八番日記で「おく霜の一味付けし蕪かな(おくしもの ひとあじつけし かぶらかな)」と詠んでいます。

『霜が少しずつおりてきて徐々に寒くなるのにつれて、どんどんかぶが美味しくなっていく~!!』という句ですが、ここからカブ本来の旬の時期、というのは秋から冬だったということが分かります。

さらにかぶの生態についても調べてみると、かぶは耐暑性が低く15~20度のひんやりとした冷涼な気候を好む野菜だそうです。

ということは、暑さへ向かう春よりも、だんだんと寒さに向かう秋のかぶの方がより甘く、おいしさが凝縮されるということですよね!

かぶの名産地と生産量

農林水産省の統計によると、平成28年のかぶの出荷量は全国で106300トン、全国におけるかぶの上位生産都道府県は、以下の通りでした。

かぶ生産量1位:千葉県

全国に出荷されるかぶの内、およそ3割が千葉で生産されています。

ダントツトップですね!!その千葉県の中でも特にかぶ生産で名高いのが、県の北西部に位置する柏市。こちらがかぶの全国生産量第1位を誇っています。

柏市といえば、J1で活躍する「柏レイソル」が有名ですが、「こかぶちゃん」というかわいいかぶの姿をしたご当地キャラがいらして、これまたとってもかわいらしいんですよ~。

全国ご当地キャラグランプリにも出場しているので、私もこかぶちゃん、応援したいと思います!!千葉県は柏市のほかにも東庄町、松戸市がかぶの産地として有名です。

かぶ生産量2位:埼玉県

続いて全国出荷量第2位の埼玉県。

こちらは全国に出荷されるかぶの内、約1.4割を生産しています。

かぶの生産量トップ1の千葉県と、続く埼玉県を合わせると、全体のおよそ半分近くのかぶが、この関東圏域の2県で生産されていることが分かりますね。

埼玉県では川越市、富士見市、熊谷市妻沼地区でかぶの生産が盛んだといわれています。

3位:青森県

3位は1位、2位のかぶ生産エリアからぐぐっと北上し…青森県です。

青森県では県北部の下北半島の付け根に位置する野辺地町が県内随一のかぶ産地です。4位以下は年度によって若干生産量・出荷量に変化が見られ、順位の変動があるようです。

かぶの種類や品種

その昔、かぶのルーツはヨーロッパとアジアと言われています。

それらが中国かシベリア方面から日本へ伝来したといわれ、「日本書紀」にもかぶについて記録されているそうです。つまり少なくとも1000年以上前にはもう日本に定着していた、ということになります。

長~い年月をかけ、各地の気候や土壌に合わせて品種の細分化がすすみ、たくさんの特色ある地方品種が生まれたんですね。

また、かぶは大きさや色によって分類されているそうです。

大かぶ、中かぶ、小かぶ、白かぶ、赤かぶ、青かぶ…驚くことに現在日本では約80種のかぶが生産されているそうです!!そんなにたくさんのかぶ、見たことないですよね!!

どんなかぶがあるのでしょう?見ていきましょう。

小かぶ

それもそのはず、市場での流通のメインは小かぶだそうです。従来のかぶより、少し小ぶりで、柔らかく生食にも使いやすいかぶですね。ちなみに、直径7-14㎝が中かぶ、15㎝以上のものが大かぶと呼ばれています。

小かぶはヨーロッパ系のかぶで関東を中心に全国で生産されていますが、日本における原産は東京都の金町付近と言われており、代表的な品種に『金町小かぶ』があります。

中かぶ

中かぶの代表品種として有名なのは大阪天王寺付近が原産のアジア系『天王寺かぶ』で、小かぶと比べると形が平べったく、関西地方での栽培が多いようです。

天王寺かぶは葉や茎も柔らかく甘いということで人気の品種です。

赤かぶ

皮が紫色で中の根は白い、いわゆる赤かぶの『温海かぶ』はヨーロッパがルーツで、昔から山形県の山間部で焼畑栽培されていたといわれています。断面がとってもきれいなかぶです。

歯ごたえがあり、甘みと辛みのバランスが良いかぶなので、漬物に加工されることが多い品種です。私も大好きなこちらの甘酢漬け、地元の特産品としても有名です。

滋賀県の伝統野菜で、温海かぶと同じ赤かぶの1つが『ゆるぎかぶ』です。『万木』と書いてゆるぎと読むこのかぶは、昔から滋賀県の西万木地方で栽培されていた中かぶです。

もう1つ滋賀のかぶといえば、細長いアジア系のかぶ『日野菜かぶ』です。30センチ程の長さになり、日に当たった部分が赤紫色、土の中で育つ部分は白色で、とってもきれいなツートンカラーのかぶです。固い特質を生かして主に漬物に使われます。

日野菜かぶと見た目も食感も似ているといわれるのが、島根県で栽培されている『津田かぶ』です。

日野菜かぶと同じ原理で、紫と白の2色を楽しめるかぶですが、まっすぐな日野菜かぶと対照的に、こちらは根がぐにゃりとカーブしていて、牛の角のようだといわれています。

その他のかぶ

大きさで有名なのが『聖護院かぶ』ですね!繊維が少なく甘みがあるのが特徴で、京都の千枚漬けの材料にもなっているこの聖護院かぶ、なんと大きいものは重さ5キロにもなるそうです!

主に関西地方で生産されていますが、煮崩れしにくいので煮物やかぶら蒸しにも最適です。

私がまだお目にかかったことがないのが黄かぶです。その名の通り、皮が黄色いかぶだということですが、主な生産地は北海道で、ルーツであるヨーロッパではスープなどに入ることが多いようです。いつか食べてみたいな~。

80種類すべてをお伝えするのは難しいのですが、主流の小かぶだけでなく、たくさんの在来種かぶが伝統野菜として全国各地で大切に守り育てられているそうです。いつか全部制覇してみたいと思います!!

かぶ収穫の時期

かぶ名産地における主な収穫・出荷時期

かぶが1番おいしい旬の時期は年に2回、春と秋だということをお伝えしました。そして、かぶは気温15度から20度の涼しい時期の生産に適しているお野菜ということでしたよね。

じゃあ一体暑い時期はどうしているのでしょう?!

暖かい季節に旬を迎えるお野菜ですと、寒い時期にはビニールハウス栽培をしているのかな~なんて想像がつきますが、かぶはその逆で「涼しい季節が得意なお野菜」です。

どういうことなのか、その秘密を探るべく、ぶの出荷量順に、それぞれの産地で何月にかぶが収穫・出荷されているのか、というものを一覧にまとめてみました。

かぶ収穫出荷の表

こうやって見ると、全国の各産地がそれぞれ違う時期にかぶを出荷することで、私たちが年中かぶを食べられているんだ、ということが実感できますね。ありがたーい!!

全国出荷量でも不動の上位に位置している千葉県、埼玉県では通年でかぶの栽培と出荷をしているそうです。

ただ、8月の暑さ真っ盛りの時期はどうしても出荷量や流通はかなり少なめになってしまうそうです。

先ほどからお伝えしている通り、元来かぶは涼しい気候を好むので、名産地の千葉でも夏の栽培には昔から相当なご苦労をされていたそうです。

しかし、柏市農協(現在はJAちば東葛)小かぶ研究会が周年栽培に向けた技術の研究や産地の育成を続け、30年前の平成元年に「朝日農業賞」を受賞されるほどまでに技術の発展がなされたそうです。

そういえば、昔は今ほどかぶを年中食べられるということはなかったですもんね!私たちが今こうして年中かぶを味わうことができているのは、各地のかぶの生産者の皆さんの並々ならぬ努力、汗と涙の結晶なんですね!!

そんなことに想いをはせながらかぶをいただくと、ありがたくって美味しさ倍増です。

夏場は千葉県と青森県がメインの出荷産地

かぶの流通が少なくなる7月、8月、9月は千葉県と青森県が主な出荷産地となっています。

かぶの出荷量全国第3位の青森県。

『葉付きこかぶ』で有名な青森県野辺地町は、季節風の影響による夏季冷涼な気候を生かして夏季のかぶ栽培をすすめているそうです。こちらでは、本州最北端という涼やかな気候での栽培のみにとどまらず、少しでもかぶの鮮度を低下させないよう、なんと夜明け前から収穫しているとか!!!

夏の暑い体を冷やしてくれる甘くてつめた~いかぶは生産地のみなさんのご苦労や工夫の賜物なんですね。

埼玉県は期間限定の栽培も!

また、1年を通してかぶを出荷している埼玉県の中でも、熊谷市妻沼地区のかぶは、水田の裏作として栽培されており、3月から4月上旬頃までの期間限定!!の出荷だそうです。

水分の多い豊かな大地で作られた春こかぶは白く甘くて瑞々しいと評判です。それにしても、『期間限定』この言葉がつくと、もうどうしても食べたくなってしまうのは私だけでしょうか…(笑)。

埼玉ではかぶの旬である春と秋(限定!!笑)には入間地域の減化学肥料栽培のかぶも味わえるそうです。安心で新鮮なかぶも食べてみたいですね~!!

かぶを自分で作る場合

春と秋に旬を迎えるかぶですが、もし自宅の家庭菜園などで自分でかぶ栽培をする場合には、寒さに向けて甘が凝縮するというかぶ本来の生態と、虫の害も少なく済むということから、『秋に種をまいて、秋から冬の時期にかけて収穫』という方がおすすめです。

栄養たっぷりのかぶ、自分で作ることが出来たら、きっとおいしさも倍増ですよね。

一般的に、種まきから収穫まで小かぶで40~60日、大かぶで60~100日といわれています。

概ね、根の直径が小かぶで5㎝、大かぶだったら8~10㎝になったら食べ頃だそうです。美味しいかぶが出来るまで1~3か月くらいなんですね!

意外と短期間で収穫できるようなので、私も今度自家製のかぶに挑戦してみたいと思います。

かぶの値段の変化

東京都中央卸売市場統計を参考に、かぶの取引卸値価格をキロ当たりのグラフにまとめてみました。まず、取引卸値の平均価格を年度ごとに見てみますと、平成23年~24年が125円、平成28年~29年が136円、平成29年~30年が140円です。

徐々にかぶの価格が上がってきているのですね(涙)生産者の方にとっては喜ばしい結果ですが、私たち消費者にとっては、あまり高くなってほしくないというのが本音ですよね。なるべくお安く、なおかつ美味しいかぶを食べたいものです!!

月ごとの変動を見てみますと、年度ごとに若干価格の変動はありますが、全体的に旬を迎える10月~12月と3月~5月頃に価格が下がっています。

しかし、グラフには載っていませんが、平成29年、平成30年と2年連続で旬の11月に卸値が一気に高騰しています!!!!

近年のおいしい秋かぶに人気が集まり、取引価格にも反映されているのもしれませんね。

この先どのようになっていくのか、今後もチェックしていきたいと思います!!ちなみにこちらの価格は卸値なので、お店に出される時には2割~4割ほどお値段は高くなっているはずです。

美味しいかぶの選び方

鮮度が最も現れやすいのが葉と茎の部分です。

茎に折れがなくて、茎から葉っぱがすーっと勢いよく伸びているものを選んでください。葉はみずみずしく鮮やかなものがベストです。

かぶ全体の美味しさが現れる部分ですし、さらに葉っぱは栄養満点なのでぜひしっかり食べてほしい部分なので、ここを入念に見てくださいね。茎は薄い緑色のものが一番です。

さらに、中学校の理科で習った『葉脈』にも注目するといいそうです!!

葉っぱにあるうすーい線でしたよね…ここが左右対称のものが美味しいそうなので、じーっくりよく見て選んでみてくださいね。

さらに美味しいかぶの選び方!

そして続いて主役の根を見ます。見るからに白くてぴんっとしたかぶを選んでください。人と同じで、シワシワしていたり、シミや変色ができてしまっているものは、残念ながら鮮度が落ちています。

それから、かぶはたっぷりの水分をもったお野菜なので、いくつかかぶを持って比べてみると、より重い方が瑞々しくて美味しい、ということが分かります。

『人間と一緒、赤ちゃんのようなツヤツヤまんまるな顔したかぶを選ぶべし!!』と覚えておいてください(笑)

そしてさらに、持った時にずっしりと重みがあるかどうかもチェックしてくださいね。

まとめ
  • かぶの旬は年に2回春と秋。秋の方がよりおいしい。
  • かぶの生産量第1位は千葉。2位の埼玉と合わせ全国の生産量の約半分をシェア
  • かぶは形や大きさ、ルーツで分類され、現在約80種のかぶが全国各地で栽培されている。
  • かぶ収穫の時期は都道府県ごと・品種ごとに異なる。そのため、1年を通じてかぶの流通が可能に。
  • 従来かぶの値段は旬の時期が底値だったが、近年変化あり。全体的には値上がり傾向。
  • おいしいかぶは茎と葉に傷みがなく生き生きとしている。
  • 根の表面のきめ細やかさや重量感を感じるものが美味。

今回は普段あまり意識されないかぶの旬について、出荷量や収穫時期、値段の変化や各地の品種と共にまとめてみました。ぜひみなさんも色々なおいしいかぶを食べてみてくださいね!