皆さんは、東南アジアお好きですか?

ワタシは好きです。ざっと降っては止む自然のシャワーのようなスコール、ジャングルの奥の青いちょうちょ、派手な色使いの神さま仏さま、沼の中にそっと咲く白い花……。

ハイ、全部妄想です。パスポート持ってませんワタシ。

東南アジア、行った人から話を聞いたことはあります。それでも特に上に書いたような話は出てきませんでしたね。

もうね、完全に妄想です。すいません。

ただ、東南アジアに旅行に行った人が口を揃えて言っていたのは、食べ物はマジでうまいよと。向こうの料理とビールと蒸し暑さのトライアングルが特にヤバいよと。

まだ日も高いうちから酒飲んで飯食って時々昼寝する生活はたまらんよと。

 

こんな調子で、前半は空芯菜についての基礎知識について、後半ではびっくりするほどの空芯菜の栄養についてお話ししていきます!

東南アジアの美味しい生活をいろどる野菜「空芯菜」

酒と昼寝はともかく(うらやましいけど)そんなたまらん東南アジアの料理の中でもスタンダードでどこの国にもあるのが、空芯菜

ワタシみたいに現地に行ったことがなくても、パスポートがなくても行ける国内の東南アジア料理のお店で、ビールを喉にぶつけるようにして流し込みながら、熱くて辛くてシャキシャキした空芯菜の炒め物なんか食べてると、どんどんテンションが上がってくる!

……なーんてなったことは、ありませんか???

でも、もしもですよ、そんな風にして酒と一緒にテンションで食べてるような空芯菜が、実は栄養満点のスーパー野菜だったとしたら……?

今回は、東南アジアの人気者、空芯菜のリアルに迫ってみようと思います。

空芯菜の真実!!これがリアルだから。

空芯菜は、植物学的にはサツマイモの仲間で、「ヨウサイ」という名前です(「空芯菜」という名前は、本当は商標登録されています)。アサガオと同じグループに入っていて、花の形もアサガオによく似ているので、日本では「アサガオナ(朝顔菜)」と呼ばれることもあります。

また、水辺で育つので、形が似ているほうれん草に見立てて英語では「ウォーター・スピナッチ(水辺のほうれん草)」と呼ばれるんだとか。

空芯菜って、どういう野菜なの?

空芯菜は東南アジア原産の野菜で、ある程度以上の気温でないと繁殖できなかったりそもそも育たなかったりもするので、これまで日本では沖縄県以外ではほとんど栽培されてきませんでした(最近は栽培技術の発展によって、日本各地で栽培が始められています)。

逆に、気温が下がりにくい東南アジアでは繁殖力が強く、どこにでも生えてくるといわれています。だから、ベトナムでは「ザウ・ムォン」、カンボジアでは「トロクオン」、タイでは「バックブーン」などなど、各国にそれぞれの呼び名があり、古くから人々の食生活に完全に浸透してきました。

◎空芯菜、茎のヒミツ◎

そして、空芯菜の名前の由来になっているのは、なんといっても穴があいて筒状になった茎。

どうして茎がこんな形になるのか調べてみたところ、実はまだ研究中なんだとか。

ですが、今のところ、茎の中心にある髄(ずい)の部分が「自己分解(オートリシス)」と呼ばれる現象を起こして溶けやすくなり、茎の養分として内側から吸収されていった結果、その中心部だけスッポリ抜けて、筒状になったんじゃないかといわれています。

空芯菜の旬は?美味しい時期に美味しく食べましょう

空芯菜が一番美味しくなるのは7〜9月といわれています。

この時期は、東南アジアの中でもタイやベトナム、カンボジアなどでは雨季の真っただ中です。

雨季は、実は自然の恵みのシーズン。別名「グリーン・シーズン」というぐらいに緑がもえ、またトロピカルフルーツもそこかしこで実り始めます。

高温多湿を好む空芯菜も例外ではなく、この時期に緑色の葉っぱを茂らせ、一気に生長していくのです。

一番栄養がある時期が「旬」です

また、野菜の旬というものは、「一年で一番美味しい」というのもさることながら、「一年で一番栄養がある」時期でもあります。

空芯菜の栄養が一番あるのも、この7~9月の時期のもの、ということになりますね。

さあ、旬の空芯菜の、栄養面から見たその実力は???

空芯菜の栄養は〇〇以上!? ヤバいです

それでは、空芯菜の栄養を見ていきましょう。

データは、文部科学省が発行している『日本食品標準成分表2015年版』によります。ちなみに、この成分表には、空芯菜は「ヨウサイ」という名前で載っています。

ここでは、わりと雰囲気が近くて収穫の時期も近い、夏採りのほうれん草と比べてみましょう。

ほうれん草との栄養成分比較!

脂質はほうれん草の1/4、食物繊維はほうれん草の1.1倍。β-カロテンの量はほぼ同じですが、100g当たり4,300μgと非常に豊富です。原則として100g当たり600μg以上のものが「緑黄色野菜」と呼ばれることを考えると、どれだけ栄養豊富かがわかると思います!

そんなわけで、空芯菜には栄養たっぷりのほうれん草とほぼ同等の栄養があります。

しかも、ほうれん草と違って(生で食べると身体の害になる)シュウ酸という成分を含まないので、下ゆでなどをする必要がなく、簡単に日々の食卓に活用できます。

空芯菜は、最近よく聞く「糖質○」?カロリー面はどうなの???

引き続き見ていくと、ほうれん草と違う点がもう一つ。

なんと、空芯菜の糖質は0g(ほうれん草は100グラム当たり0.3g)。

 

脂質などに含まれるものも入れた最終的なカロリーも、ほうれん草が100g当たり20kcalなのに対して、空芯菜は17kcal。ほとんどほうれん草と同じくらいの栄養がありながらカロリーはちょっぴり抑えめの、優秀野菜なのです。

空芯菜の健康効果と、中の成分の効能を見てみましょう

さあ、空芯菜に含まれる栄養の中でも特に豊富なものを挙げていきます(カッコ内は100g当たりの含有量です)。

・β-カロテン(4,300μg) 
抗酸化作用があり、また生活習慣病を予防する効果があります。

・カリウム(380mg)
汗とともに失われる成分で、血圧を下げたり、骨密度の低下を防いだりする効果があります。

・カルシウム(74mg)
ご存じ、骨を作る成分です。心を落ち着けるのにも役立つといわれていますね。

・鉄(1.5mg)
血の中で酸素を運ぶヘモグロビンの量を増加させ、酸素を身体中に巡りやすくして、疲れにくくします。

・ビタミンK(250μg)
骨の中のタンパク質を活性化して、骨を形成しやすくします。

・ビタミンB1(0.1mg)・B2(0.2mg)
糖質などの代謝を良くして、疲労を回復しやすくします

・ナイアシン(1.0mg)
皮膚や粘膜の健康を保ちます。

空芯菜は、これらの成分に優れているスーパー野菜なのです!

ヤバさをまとめるとヤバい

さあ、ここまで長々と書いてきたことを非常にざっくりまとめると、

  • 空芯菜は、東南アジア原産の葉物野菜。
  • 高温多湿な土地でよく育ち、旬は7〜9月。
  • 栄養価はほうれん草とほぼ同じだが、カロリー控えめ。
  • 野菜の中でも、骨や血をサポートする成分が特に豊富。

こういうことになりますね。

得した気分、しかし……。

なんか、これまでテンションで食べてたものが栄養豊富って聞くとうれしいのは、わたしだけでしょうか?

「それならいくらでもテンションで食べてやるよ!」みたいな。

箸も進もうというものです。ていうかめっちゃ進みます。

とはいえ、何であれ食べ過ぎには要注意です。

特に、せっかくカロリー控えめなのに、一番よくある「炒め物」で大量に食べてしまうと、結局のところ、油が多くなってしまって意味がないという罠が……。

温野菜やおひたしにするなどの工夫をしながら、賢く美味しく空芯菜を食べていきましょう!!