夏になると食卓を賑わす、“ちょっといい”果物のメロン

冷蔵庫に入れたのを食べると、よく冷えていて甘くてジューシーという、果物のいいところを全部盛りにしたような、果物のカガミのような食べ物です。

でも、そんなメロン、実は野菜という説も……?果たして、どうなっているのでしょう!?

【メロンは野菜?果物?】 序章〜

メロン……いいですよねえ

何かの機会にメロンが出てきたら、まず皮をチラ見して(ハズカシイ)、あの独特の網目模様があった日には、心の中でガッツポーズをしますね。で、スプーンを手に、どこから食べるか迷うわけです。

でもこれ、答えはもう決まってるんですね。一口目は、一番甘いところを食べたいんです。一番メロンらしいところを食べて、「やっぱメロンはこれだよなー!」と思いたいんですよ。

はじめに甘い部分を食べたら、後は甘みを感じにくくなるというのがわかっている……。

なのに、「だって、ほら、、、いきなり端っこから食べるとバランスが悪いし」とか思いながら、どうしても一口目は食べやすい(そして甘い!!!)真ん中にいっちゃうんです。

……ってのは、誰もが通る道だと思います(メロンが好きじゃない人、ごめんなさい……)。

スイカにもある!野菜説,果物説

スイカともちょっと違うんですよね。いってみればスイカは、甘さも控えめで庶民的、時代劇に出てくる町娘のよう。

一方メロンは、時には歯が痛くなるぐらい甘くてゴージャス、まるでアメリカ映画に出てくる女優のようです。それぞれに、良さはありますが。

このように、共に果物説、野菜説がある食材ですから、比べてみる価値もあるのです。
この記事も見てね!→スイカの果物説、野菜説の検証!

ちなみに、今までで私が見た一番ゴージャスなメロンの食べ方はというと、半分に割って中のワタをくり抜いたメロンに、シャンパンを注いで食べる(飲む?)というですね……(話が長いのでフェードアウト)

【メロンは野菜なのか果物なのか】 基本の確認!

すみません、取り乱しました。今までのところは、落語でいう枕のようなものだと思ってください。長いね枕。

それでは、本題に入ります。

野菜と果物の定義

実は、野菜とは何かというのも果物とは何かというのも、そこまで明確な決まりはないんです。

辞書によっても、少しずつ書いてある内容が違います。単に野菜を「食用の植物全般」というものもあれば、「副食(おかず)として食べられるもの」と詳しく書いてあるものもあり……。

しかしながらそんな中で、「メロンは野菜だ」と言うことがあるわけです。

まずは、メロンが野菜にあたる理由を、ちょっと丁寧に見ていきましょう。

【メロン野菜説】を検証!!

まずは、農林水産省の定義から。

「野菜生産出荷統計」という、どの野菜がどれだけ生産されて流通しているかという統計では、メロンは「果実的野菜」に分類されています。「あくまで果実のようではあるけど、野菜ですよ」という認識ですね。

理由としては、「一年ごとに苗を植えて収穫する」という生産方法が、一般的な野菜と同じだからだそうです。

 

確かに言われてみれば、生産から統計していくのであれば、生産のし方がより近い方に合わせた方が、何かと便利ですよね(パッと思い浮かんだのは、「植えた1本の苗が1年にどれぐらいの実をつけるのか」などですね。実際に統計をとっているかはわかりませんが……)。

結論としては、農林水産省の「野菜生産出荷統計」では、メロンは野菜として扱われています。また、植物学的にそういえる根拠もありますね。

農林水産省のメロン野菜説に関するデータ

もうひとつ、農林水産省から・・・もうひとつ農林水産省の、「食糧需給表」。

これは、いろんな食べ物の生産のされ方や消費のされ方などの、時代的な変化を追うために集計されているデータです。
よくいわれる「食糧自給率」の計算元になっているデータですね。

 

さて、この表でもメロンは上の「野菜生産出荷統計」と同じように、野菜として分類されています。

理由も、上と同じと考えてよさそうです。このデータも、生産について扱っているので……先ほどと同様。

食糧需給表」も、メロンは野菜という扱いですね。

 

ここまで、メロンを野菜といっても不自然ではない理由を見てきました。

それでは、ここからは、「メロンは果物だ」という考え方について見ていきましょう。

【メロン果物説】を検証!! 根拠はある?

総務省では、国のいろんな政策の助けにするために、国民の生活全般についてのデータを集計しています。

ここが行っている調査のひとつに、「家計調査」があります。国民が「何にいくらお金を使っているのか」を調べるという、いってみれば具体的ではあるけれどもかなりオーソドックスな調査です。

この調査では、メロンに使ったお金は「生鮮果実」(つまり果物)に使ったものとしてカウントされます。これも言われてみれば確かにそうですね。

 

野菜代は基本的な栄養を摂るための費用、果物代はどちらかというと幸せな気持ちになるための費用、と考えると(感覚的でスミマセン)、メロンはここでは果物として扱った方がいいような気がします。

まとめると、総務省の「家計調査」の視点では、メロンは果物ということになります。

厚労省の場合〜メロン果物説

省庁が変わって、厚生労働省。

ここが行っている、「国民健康・栄養調査」と「健康日本21」の基準を見ていきましょう。

厚生労働省は「国民健康・栄養調査」で、毎年国民の健康状態や栄養状態の統計をとっています。そして、そこからみられた特徴や懸念点などを、大きく分けてこれまで2回「健康日本21」という目標にまとめています。

その中に、野菜や果物の摂取量も出てくるんですね。

メロンは果物に分類

メロンはというと、この資料では果物に分類されています。

というのも、この統計の目的は、より健康的な生活を送るために、野菜や果物をどれだけ摂るのがいいかという基準を出すことだからです。で、そのベースになるのは、栄養。

なので、植物学的には野菜に近くても、実際に栄養の傾向が果物に近い場合、たとえば甘くて美味しい(=糖分が高い)メロンなんかは「果物」として扱った方がいいわけです

じゃあどこまでが野菜でどこからが果物か、というのは、この資料の場合は、さらに別の省庁の文部科学省が出している「日本食品標準成分表」という表の分類を、元にしています。

(余談ですが、この「日本食品標準成分表」というのは実は私たちの目の前にコッソリ出てくることが多くて、たとえばよくある「レモン●個分のビタミンC!」とか「食物繊維が、レタスの●倍!」みたいな宣伝文句は、ほとんどの場合、この表に載ってる栄養値を基準にしたものです。)

なので、厚生労働省「国民健康・栄養調査」「健康日本21」(+文部科学省「日本食品標準成分表」)では、メロンは果物扱いとなっています。

結論【メロンは野菜,果物どっち?】まとめてみると……。

いやあ、すみません、長くなりました。

ざっくりいうとですね、

  • 辞書的にハッキリ白黒つけることは不可能
  • (農林水産省の分類のように)生産面を基準にすると「野菜」
  • (総務省、厚生労働省、文部科学省の分類のように)実際の生活での使われ方や栄養値を基準にすると「果物」

ということになります。

 

なので、結論としては

メロンは野菜というのは間違いじゃない! でも
 メロンは果物というのも間違いじゃない!

ということになりますね。

「メロン=野菜」説の面白さ

ところで、この記事を書いてる時に思ったんですが。

「メロンが野菜」って言い出したのって、いったい誰なんでしょうね???考えてみれば不思議な話です。

だってこれって、別に誰にとっても「言う必要のない」情報ですよね。これだけ果物っぽいのが野菜だったところで、私たちが扱い方を変えなきゃいけないわけでも、食べ方を変えなきゃいけないわけでもありません。

とはいうものの、考えてみればそこが面白いところで、「これだけ果物っぽいメロンが実は野菜だった!」というのは、シンプルに意外で、話が弾みますよね。

そう考えると、こういうのが(単なる知識自慢とは違う)雑学の良さだよなあ、最初に言い出した人はエライもんだなあ、と思ったのでありました。