最近、「野菜を自分で作ってみよう」と考える人が増えているのをご存知ですか?都心に住んでいる人も手軽にプランターで育てたり、郊外の貸し農園で週末だけ農作業をする方もいます。

自分で野菜を作るのだから、無農薬野菜を作ってみませんか?コツさえ分かれば、意外に簡単です。今回は、庭や貸し農園など「畑」でどのように野菜を作るのか?流れを説明します。

土の準備は2ヶ月前から

無農薬野菜作りの第一歩は、「土作り」からです。土の中に農薬を蒔き野菜の成長を助ける事もあります。無農薬でもそうでなくても野菜が育つ土づくりは大切です。

水はけがよい土は、無農薬野菜作りでは欠かせません。水はけが悪い土だと雑草も生えやすくそれによって害虫も増えるからです。

硬い土は、土の中に空気の層がない可能性が高いです。よく耕して土に空気を含ませる作業が必要です。

無農薬野菜は時間をかけて

先ほども少し説明しましたが、硬い土を耕して、空気を入れる事や栄養を十分浸透させるのに少なくても1ヶ月はかかります。また、雨の日など天候の悪い日(土が水分を含んでいる時)に土を耕すとゴツゴツな塊ができてしまい、逆効果です。

全く畑として使われていなかった場合は、余裕を持って準備する必要があります。耕す時に「有機肥料」を混ぜて耕す事で土の中に微生物が増えます。その微生物が有機物を分解するのにも時間がかかるんです。

冬の間に出来る事

農家さんが畑仕事をしている姿を見たことがありますか?冬の間、畑で何もしていない?もしくは、あまり見かけないなぁ…と思った方もいませんか?

農家さんは、冬の間に次の作物の苗を作ったり、畑の準備をします。また、冬野菜の収穫をしたりしています。私がお世話になった、無農薬野菜を栽培している農家さんでは、この時期に「ぼかし」肥料を作り、その肥料を畑に混ぜ土の調整をしていました。

「ぼかし」肥料をつかってみる

ぼかし」という言葉に聞きなれしていない方もいると思います。実は、私もそうでした。「ぼかし」の意味は、ちょっとわからないのですが、農家さん(特に有機野菜を作っている方々)は通じる農家用語です。

「ぼかし」肥料の作り方は、農家さんによって違います。市販で売っている場合もあるようですので、時間がない方や作る場所がない方は、ホームセンターで尋ねてみて下さい。場合によっては近所の農家さんから少し分けてもらえるかもしれないので、聞いてみるのもおすすめです。

種からより苗から育てる

小学生の時に植物を育てる=(イコール)種を蒔くと教わりましたね。野菜もそうだと思っている方いませんか?種からでも育ちますが、無農薬で育てるのであれば、「苗」から育てることをお勧めします。

種から芽が出る間が一番「野菜が弱い」時期なんです。その間に鳥に食べられたり、根が出なかったりしてしまう事もあります。ある程度育った状態、つまり「苗」からの方が、野菜が育ちやすいのです。

苗から育てられる野菜

苗をお勧めしたのでしが、「種」からしか栽培できない野菜もあります。主に根菜類です。ニンジンや大根、カブなどがそうです。

夏野菜(植付時期4~5月) 冬・春野菜(植付時期8~10月)
トマト類(大玉、中玉、ミニ) さつまいも
きゅうり 白菜
茄子 たまねぎ
ピーマン キャベツ

※東海地方を基準に示した表です。

※他にもありますが、初心者にも手軽な野菜を紹介させて頂きました。

苗の選び方

『良い』苗を手に出来たら、野菜作りの8割が成功したと思って下さい。(私は、農家さんにそう教わりました)それくらい、苗の選び方が大切という事です。では、どんな苗が「良い苗」なんでしょうか?

  • 葉に光沢があって、厚みがある。
  • 葉と葉の間の節が短くて茎が太い。
  • ふたばがしっかりとついている
  • 斑点や傷がない

苗の植え方

植付は、午前中に行うことをお勧めします。先ほども説明しましたが「苗」の時期が最も重要です。苗は、暑さに弱いので、特に夏の植付け(うえつけ)は、気温が上がる前までに完了出来るように作業を始めましょう。

畑に畝(うね)を作った後、ポットより少し大きめの穴を掘ります。深さは、苗の根が隠れる程度です。浅すぎても深すぎても苗が枯れたり腐ってしまいます。

では、植付けの手順を説明していきましょう!

  1. 浅い桶などにポットの高さ半分ほどの水を張り、ポット内の土がしめるまでつけておきます。
  2. 掘った穴に、十分水を入れます。一度、入れるとすぐに土に吸収されると思うので、2~3回は行います。
  3. ポットを逆さにし苗を引き抜きます。 ※図1参照
  4. 根や茎、葉を傷つけないよう、できればすばやく畝(うね)の穴に入れます。
  5. 根が土の中に隠れるよう、掘った時に出た土で調整します。※穴が深い場合は、苗を抜いて穴を調整します
  6. 苗が倒れないように土をかぶせます。土は、押し固めないように注意しましょう。
  7. 最後に苗にかからないようその周りにたっぷりの水をまきます。

※図1 ポットから苗を出す

水やりって毎日必要?

気になるのが、水やりですよね?庭なら、仕事前や家事の合い間にできそうですが、少し離れた場所にある畑だと、毎日行く事が出来ない方もいると思います。水やりについて説明していきましょう。

自然にまかせるのも手です

農家さんの中には、畑の近くに水がない、という方もいます。毎回、水を運んで水やりをしているのか?というと。私がお世話になった農家さんは、「自然におまかせる」でした。

野菜は、成長と共に丈夫になっていきます。土に水を蓄えなければ、根がどんどん伸びます。

夏の時期はどうしたらいい?

先ほど、水やりは「自然にまかせる」と説明しましたね。ただ、例外もあります。夏の時期、2週間も雨が降らない日が続いた時です。毎年、ダムの水が無くなりニュースになりますが、あの時期は土の中にも水が蓄えられない状況です。

朝の時間、まだ気温が上がらない時間に野菜に直接水を与えず、畝(うね)と畝の間に十分水をまきます。気温が上がってから水やりをすると、蒸発してしまう事や水の温度が上がり逆効果になる事があります。

過保護はダメです

無農薬野菜づくりは、自然と協力しながら行う事が多いです。水やりの説明でも、極限までは自然にまかせます。何事もやり過ぎは、NGなんです。肥料も過度になると茎や葉ばかりが成長して実が付かない事や病気になる事もあります。

必要な時だけ手助けを

無農薬野菜づくりの中では、野菜との会話が大切だと思います。植物や野菜に話しかけるのは、おかしいと感じる方もいますね?私などは、畑に行くと必ず声かけをしますよ。

水が足らなくて葉がしおれたり、虫に食われ弱っているのを発見した時にだけ手を貸します。あまり、過保護になると、少しの環境の変化に対応できなくなるのです。

子どもと同じ

子育てをした事がある方なら、分かると思います。無農薬野菜づくりは、子育てに似ている所があります。

少しの変化に気付いて、見守ったり、手助けをしたりします。愛情を持って育てていけば、ちゃんと返してくれるのが無農薬野菜づくりの魅力です。

作業日記をつくってみる

畑での作業をしていくと、「あれ、いつ苗を植えたっけ?」という事があります。また、専門書などに「受粉してから〇日後が収穫の目安」などと書かれている場合があります。そんな時に、役に立つのが作業日記です。

万が一、枯れてしまった時もどうして枯れてしまったのか?さかのぼって、原因や理由を把握しやすいです。

1年が過ぎ、また同じ時期が来る頃、どんな野菜を作るか?決める時にも参考になりますし、失敗した事は、次回、防ぐ事ができます。

 

草と虫の話

無農薬野菜づくりだから、「雑草」や「虫」は全て悪いもの!と考えてしまいますが、実際はそうではありません。自然の中で育てる無農薬野菜だからこそ、知りたい知識もあります。説明していきますね。

雑草が全部悪いわけじゃない

雑草は、生えすぎると土の中の栄養を吸収し、野菜が育ちにくくなりますが、全くないのも困るものです。

夏の時期の日差しを思い出して下さい。畑には屋根がなく直接、日が当たります。そうすると、土は見る見る乾きます。たまに降る雨を土に蓄えるために必要だったりします。

虫も協力してくれます

春になると、ハチが飛びますね。ご存知の通り、ハチは花から花へ飛び移り蜜を取ったり花粉を取ったりします。

農家にとって、ハチは受粉の手伝いをしてくれる大切なパートナーです。人工的に受粉を行う事もできますが、うまく出来なかったり、時間が悪かったりして意外に難しいです。実をつける野菜(トマト、ピーマンやトマトなど)は、ハチの協力が必要です。

テントウムシも畑には欠かせない虫です。野菜を枯らせてしまうアブラムシがエサなので、無農薬野菜づくりの手助けをしてくれている心強いパートナーと言えます。

収穫が一番楽しい!

冬の時期から始めた無農薬野菜づくりは、初夏になる頃少しずつ野菜が実ります。苗から育てて、大きくなる様子をずっと見てきたからこそ収穫出来る事は、うれしいです。

待ちに待った収穫時期

ようやく野菜ができると、嬉しいですね。ちょっと待って下さい。収穫の時に気をつけることがいくつかあります。難しいことではないので、知っておくと良いですよ。

  • 収穫時に使ったはさみは、こまめに洗いましょう。目に見えない病気(人には害がないので安心して下さい)を野菜が持っていた場合、切り口についた液から次の野菜にその病気が感染してしまう可能性があります。
  • 枝や、葉を傷つけないように収穫しましょう。傷が原因で、害虫が増えたり、それによって病気になってしまう事もあります。
  • 適度な大きさになったらすぐに収穫するのをお勧めします。大きくなりすぎた実を支える為に枝に負担がかかります。そのため成長が悪くなったり、収穫量が減ってしまう事もあります。
  • 収穫は、晴れた日の朝をお勧めします。野菜にとって一番コンディションがいいからです。夏の時期、昼過ぎに収穫すると痛みの原因になるので、早朝が難しい時は、日が暮れる時間帯でも大丈夫です。
まとめ
  • 土作りは、冬の間にじっくりと行う。
  • 苗は慎重に選ぶ。
  • 畑仕事は、自然と一緒に楽しんで。
  • 収穫する時は、やさしく。

いろいろ考えずに、まずは、やってみましょう。

畑の環境や地域によって無農薬野菜づくりの方法は少しずつ違います。近くに農家さんや市民農園の管理人さんにいろいろ聞きながら、コチラも参考にして頂ければ幸いです。

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