焼きなすに味噌炒め、漬物、マーボーナス、ラタトゥイユ…なすは本当に色々なお料理に活躍する万能お野菜ですよね!!

夏野菜としていまや定番のなすですが、その歴史はとっても古く、驚きの内容がたくさんです。

 

今日はなすを手に取ってお料理するときちょっと楽しくなっちゃうような、皆でなす料理を囲むときちょっと自慢したくなっちゃうような、そんななすの豆知識をお伝えしていきます。

きっと今まで当たり前に感じていたなすがもっと新鮮に感じられますよ!!一緒に楽しいなすの雑学を学んでいきましょう~。

なすの雑学 その壱:東インドから世界へ!

なすはインドの東部で生まれたといわれています。東インドから出発し、西はヨーロッパ、アフリカ、アメリカ、東は中国、東南アジア、朝鮮、日本へと伝わっていったそうです。

なすの旅~西ルート~

インド東部を出発した西のルートでは4~5世紀ごろにインドから古代ペルシャに渡り、ペルシャ人によってアラビア半島、北アフリカのナイル流域、アルジェリアになすが伝わったようです。

5世紀というとピンとこないですが、日本は古墳時代の頃ですね。

 

ヨーロッパには広まるのに時間がかかり、13~15世紀頃に地中海沿岸に広まり、栽培されていたそうです。

しかし、ヨーロッパでは食用ではなく、なすは花を楽しむ用に栽培されていたんですって!!!なすの花は薄紫の六角形が美しいですもんね。なんとも優雅な、ヨーロッパらしいといえばらしい!

私はなすの花を観賞用に楽しんだことはなかったですが、来年は自宅で栽培して花も楽しんでみようかと思います。

 

その後ヨーロッパからの移民によってなすはアメリカへ伝えられたようです。17世紀ごろには南北アメリカへ浸透したなすですが、アメリカではヨーロッパよりも短時間で多くの品種が生み出されたといわれています。

なすの旅~東ルート~

一方の東ルートについては、インドから東南アジアへはかなり古い時代に伝わったようですが、残念ながら詳しい記録が残されていません。少なくとも1000年以上前から栽培され、様々な品種が新たに作り出されたということだけは明らかになっています。

この中国へのなすの旅が驚くほどの長旅で、チベットを通り、中央アジアに3000キロにも及ぶ大山脈の崑崙山脈(こんろんさんみゃく)を通ったといわれているんです。

この山脈、標高6000メートル以上の山々が200峰以上連なっていますので、どんなに大変だったか想像を絶します…ロードオブなすの世界ですね、きっと。

なす、ついに日本へ到着!!

さて、日本への伝来については主に3つのルートがあると考えられています。

  1. 中国から日本へ
  2. 朝鮮半島を通って
  3. 東南アジア経由

これらのなすがもとになって、日本でさまざまな地方種のなすが作られていきました。現在確認されている伝統的な地方種は、なんと70種近くもあるそうです。

時期としては、奈良時代ごろにはすでに栽培されていたようで、平安時代の延喜式(えんぎしき)という本にもすでに記録がありました。こうして見ると、かなり古くから、なすは日本に根付いているということが分かりますよね。

世界をゆっくりゆっくり巡って日本に到着したなす。こうしてその歴史を辿ると、当たり前に食べているなすが、とてつもなく愛おしく貴重に思えてくるから不思議です。

なすの雑学〜その弐〜:呼び方(なすび)・漢字・読み方・語源

アジアから日本へ入ってきたなすは、漢字で書くと茄子

草に力を加える、という意味の文字ですね!中国語ではチェーツーと発音しますが、漢字で書くと日本でも中国でもなすは茄子です!これなら中国に旅行に行ってもなす料理だけは自信をもって注文できそうです!!!(笑)

ナス派!?なすび派!?

日本では、『なす』と『なすび』、2通りの呼ばれ方をしています。

私は『なす』と呼びなすが、西日本では主になすび、東日本ではなすが主流のようで、割合としてはなすび派が6割なす派は4割といわれています。

野菜名としての登録は『ナス』ですが、実は『なすび』と『び』付きで呼んでいる方の方が半数以上ということでこちらの方がポピュラーなんですね!!

ナスの語源

なすの語源については説がいくつかあり、昔は夏野菜を「夏実(なつみ)」と呼んでいたようで、そこから転じて「なすび」になったというものと、

実の味から「中酸実(なかすみ)」と呼ばれるようになり、なすびに転じたという2説が有力なようです。

 

確かになすは漬物にしたりするとちょっと酸味があるのが分かります。

 

また、この「なすび」と呼ばれていたなすが、室町時代に女官から「おなす」と呼ばれるようになり、いつの間にかおが取れて「なす」という名前になった、という話も有名です。

西に都があった時代にはなすび、東に都が移ってなす、と変化してきたのでしょうか。おなす、も女房言葉で愛嬌があってかわいらしいですよね!

なすの雑学 その参:種類や色 紫だけでなく白や緑色などいろんな色も!!

色々な読み方や呼ばれ方があるなすですが、種類に至ってはなんと日本では180種類以上、世界的に見るとまさかの1000種以上だそうです!!

ナスの種類、特徴

そこまでたくさんの品種があるなんて知らなかったので驚きです!!ものすごい数ですのできっと全部食べたことがある、という人はそうそういないことでしょうね…

もし『180種の茄子バイキング』とか『1000種なす食べ比べ大会』とかあったら絶対行ってみたいです(笑)なすの種類は本当にたくさんありますが、私たちが普段よく目にするなすを中心にご紹介しますね。

・中長なす

長卵形なすとも呼ばれ、長さは12~15cm。病気に強くどんな気候でも栽培できる、料理しやすい大きさということから、現在の日本で最も普及しています。千両、千両2号という戦後に作られた品種が主流です。

きっとスーパーで一番よく目にするのがこの中長なすです!

・大長なす

40~45cmの大きななすで、中国の華中・華南から夏暑く栽培期間が長い九州に伝わったのが始まりです。暑さや乾燥に強く、実の肉質が柔らかです。

地方品種には福岡の久留米長、福岡の博多長などがあります。

・長なす

20~25cmのなすで、九州に伝わった大長なすが中国・関西地方に広まり、長さが短くなったといわれています。現在は西日本や東北で多く生産されています。

伝統的な品種も多く、秋田の河辺長、岩手の南部長、大阪の大阪中長、宮崎の佐土原などが挙げられます。

・丸なす

中国の華北から朝鮮を通って北陸に伝わったなすで、大きいものは1キロ近くにもなります。信越地方や関西を中心に作られています。

味噌漬け、揚げ物、煮物などに合います。京都の賀茂なす、新潟の魚沼巾着、大阪の大阪丸などが在来種として有名です。

・小丸なす

丸なすが栽培期間の短い東北に伝わって小さくなりました。長さ3~8cmで重さ10グラムほどの小さななすで、見た目もとってもかわいらしいです。

特に山形では小なすの流通が多く、民田という在来種やからし漬けが特産です。

・米なす

ヨーロッパ・アメリカの品種を日本向けに改良した品種なので名前に『米』がついています。皮の色は黒紫、へたが緑色なので見分けが付きやすいです。田楽やバター炒めに向いています。

珍しい!?〜カラフルな色のナス〜

以上は主に、大きさ・長さで分類されたものをお伝えしました。他にもちょっと珍しいカラフルななすがありますのでご紹介しますね。

・青なす

皮が緑色のなすで、加熱すると実が柔らかくなります。最近よく出ているのが緑美という大長なすで、焼きなすにするととっても美味しいです。

・白なす

皮が白い品種で、青なすと同じく加熱でとろりとした食感になります。下町美人という大長なすは家庭菜園でも人気です。

鮮やかななすは日本で作られているこのような品種の他にも、ヨーロッパ、特にイタリアで多く栽培されています。

イタリア産なすは紫と白のマーブル色だったり形の変わった緑色だったり、と日本のもの以上にカラフルでユニークです!!さすがイタリア!!

 

こうしたなすは従来のなすに比べ、皮の色が薄いので他の食材への色移りが少ない、というメリットから近年どんどん人気が出ています。

確かになす料理、特に炒め物や煮物などはどうしても紫がかった茶色のなす色に染まりがちですよねー!今度色の薄いなすを見つけたらぜひ試しに使ってみてはいかがでしょうか。

まとめ
  • 東インドで生まれたなすは西と東へ別れ、世界へ広まった。
  • そののちアジアを通過して、日本へ!
  • なすはなすび、とも呼ばれ、漢字で書くと茄子。室町以降なすという呼び方が定着した。
  • 世界で1000種以上展開しているなすは国内でも180種に及ぶ。近年では緑色や白色のなすも出てきて、調理の幅も広がっている。

古来からたくさんの種類があったなすですが、最近では育てやすくさらに美味しい品種の流通も増えています。ぜひ様々ななすを使って、毎日なす料理を楽しんでみてくださいね。

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