買い物の時に時々「惜しい」瞬間ってありませんか?

「豚肉、コマ切れがちょうど売り切れてて、美味しいんだけどちょっと高めのバラ肉しかない……。」
「白菜、半分もいらないのに……。」
「ほうれん草が欲しいのに、小松菜しかない……。」

値段や味が、品揃えの関係でちょっとだけ思い通りにならないかもしれない瞬間、それが「惜しい」瞬間。

今回は、そんな中の一つ、ピーマンパプリカに関する惜しい瞬間『それぞれの違い、特徴』を追っていくこととしましょう。

パプリカとピーマンと赤ピーマンと

今、世の中には、大量にレシピがあります。

私もお世話になることが多い「ク」で始まるレシピサイト(リンク先:https://cookpad.com/)には、
にこやかに「簡単おいしいみんなのレシピが284万品」と書いてありました。

本当に単純計算して、一日三食でおよそ2594年分のレシピ。今から作り始めたら、全部作り切るのは西暦4612年ですよ。もはや、想像が……。

まあ、ウェブに限らず(プロの人が出版した、本格的なレシピ集もありますよね)、そんなレシピのお世話になって私たちは日々暮らしているわけです。

パプリカってピーマンじゃダメなのかいっ?

プロはもちろんのこと、ウェブで「レシピを公開しよう!」という人も、それなりに料理が得意だったり、それぞれにこだわりがあったりします(もちろん、カシコく作る時短レシピなんてのもありますが)。

なので、中には材料とかもちょっと凝ったのがあるわけです。ね。

書いてあるわけですよ。

「材料:パプリカ 1個」

パプリカ〜?あの、肉厚なピーマンみたいなやつ???

確かにピーマンに比べたらジューシーだけど、値段がピーマンの何倍もする……。ピーマンじゃ、ダメ?

もし色どりが大事なんだったら、赤ピーマンでよくない???そこんとこ、どうなのよ???と言うわけでさっそく検証開始!

見た目はそっくりな3つ、 植物としての違いは???

少し、回り道をします。

さてさてワタクシ、まずは大雑把なところから調べてみようと思って、「グ」で始まる検索エンジンを使って、「ピーマン」というキーワードで検索をかけてみました。今の時代は便利ですね。検索で手軽にアタリをつけられる。

はい、出ました。

おっ、「ウィ」で始まる辞書サイト(リンク先:https://ja.wikipedia.org/)のダイジェストが右側に出てきた(PCの場合)。そりゃそうか、よし見てみよう。

パプリカ

パプリカはナス科の多年草であるトウガラシ属トウガラシの栽培品種。〜〜

あれ?「ピーマン」で検索したはずなのに……。

まさか、グーグル大先生(書いちゃった)も、区別がついてない???

植物学的には同じ種類

いろいろ調べていくと、

パプリカもピーマンも赤ピーマンも、植物学的にはトウガラシの仲間(というよりトウガラシそのもの)なんですが、辛味成分のカプサイシンが含まれていないため、みなさんご存じの通り、辛くありません。

シシトウとかも含めた、「アマトウガラシ(甘唐辛子)」の一種ですね(まあ、シシトウはたまにものすごく辛いのがありますが……)。

パプリカもピーマンも、トウガラシというところまでは同じで、それぞれトウガラシの「栽培品種のひとつ」という書かれ方をしています。

「栽培品種」って、何なんでしょうか?植物としては同じはずなのに、少しだけ違うのは、なぜなんでしょう???

ピーマン,パプリカ 違うのは「栽培品種」。栽培品種って何?

栽培品種というのは、野菜や果物を改良していってできた品種のことです。

たとえば、リンゴ。
「およそ350年前にニュートンが、木から落ちるリンゴを見て万有引力の法則を発見した」
という話は有名ですが、もう一つ豆知識として

「その木のリンゴは、今のものとは味が全然違った(ぶっちゃけマズいといわれている)」
というのがあります。

ニュートンのリンゴの木

ニュートンのリンゴの木は、およそ200年前に残念ながら切られてしまったんですが、その枝を元に育てた木(つまり「子ども」のようなものです)は、今もロンドンのケンブリッジ大学に立っています。

その頃のリンゴは、そのまま食べると渋かったり、みずみずしくなかったりで、あまり生で食べるものでもなかったようです。

350年前はそうだったのが、時代がくだるにつれて品種改良が重ねられて、今ではすっかりおいしい果物の仲間入りですよね。

「ジョナゴールド」「ふじ」「王林」……品種もいっぱいあって、それぞれ違った風味があります。この時、今のそれぞれのリンゴは、昔のリンゴに品種改良を重ねて作った、栽培品種なんです。

結局「栽培品種」の違いは

つまり、ピーマンとパプリカの違いって、リンゴでいうと「ジョナゴールド」と「ふじ」の違いのようなもの

種類の違いというよりも、同じ種類の植物(トウガラシ)の、品種の違いということができます。

ピーマンもパプリカも、もともとは一つの野菜だったのが、農業の発展に合わせて、それぞれ別の形で(似てるけど)品種改良が進み、人々に活用されてきた野菜なんです!

ピーマンとパプリカ。栄養と味に違いが!! 代用可能??

種類が同じでも、品種が違うと、当然育て方も多少違ってきます。

ピーマンとパプリカは育ててる途中の苗の様子もよく似ていますが、具体的には、パプリカはピーマンより大きく肉厚に育てる必要があるため、収穫するまで、ピーマンよりもおよそ1か月ほど長くかかります。

そんな風にしてできたパプリカとピーマン、栄養や味や料理の向き不向きはどう違うんでしょう???

パプリカとピーマン、味の違いは?

パプリカとピーマンの味の違いで大きいのは、

  • パプリカには甘味がある
  • ピーマンには苦味がある

ということです。

実はこれには、パプリカとピーマンの色の違いが関係しています

 

実は、ピーマンも、パプリカも、緑色のものはまだ熟しきっていません。

普段ワタシたちが食べているピーマンが苦かったり青臭かったりするのは、ほかの野菜や果物と同じで、まだ青いのが理由なんです。

赤ピーマンは栄養が違います

実が熟するにつれて、色は緑色から黄色や赤に変わっていきます。

こうして色が変わったピーマンが、赤ピーマンです。

ピーマンが熟するにつれて赤くなるのは、実の中に、「カプサンチン」という色素が増えるから(辛味成分のカプサイシンとは別物です。まぎらわしいですけど……)。

このカプサンチンは、抗酸化作用があったり、善玉コレステロール値を上昇させたりするといわれ、健康にいい成分として近年注目を集めています。

また、熟することで青い実独特の青くささや苦味もやわらぎ、一般に赤ピーマンは(緑色の)ピーマンよりも栄養価も高く、食べやすいといわれています。

一方、独特の苦味や青くささは、ピーマンの風味でもありますよね。

そういう風味ほど、人をやみつきにしたり、相性抜群の食材があったりするもの(たとえば、生のピーマンに韓国の味噌“サムジャン”をつけて食べると絶品です!焼肉屋さんでも、つい焼かずに食べてしまう……)。

結局この3つ、代用はきくの?

なので、パプリカとピーマンと赤ピーマン、それぞれ全然代用はきくんですが、

  • パプリカで代用
    ・クセが少しなくなり、甘みが増す。肉厚
  • ピーマンで代用
    ・ピーマンの風味が少し目立つようになる
  • 赤ピーマンで代用
    ・ピーマンの食感はそのままで、食べやすくなる。栄養価も増す

といえます。

パプリカ,ピーマン。総合的には、どう違う???

さて、パプリカとピーマンと赤ピーマン、それぞれの違いをまとめてみましょう。

・パプリカ

大きく肉厚で、甘みが強い。
ピーマンや赤ピーマンとは先祖が同じ(トウガラシ)だが、そこから品種改良を重ねた結果、栽培品種が違う。

・ピーマン

独特の風味と食感がある。
普段ワタシたちが食べる緑色のは、熟しきっていないもの。

・赤ピーマン

ピーマンを完熟させてから収穫したもの。カプサンチンなどの成分が増し、栄養価がピーマンよりも高い。

こういうことになります!!!

ピーマンのおまけ情報

これを読んでいるあなたは、子供の頃ピーマンは好きでしたか?それとも、嫌いでしたか?(わたしは、結構美味しく食べていました……。)

ピーマンの苦味成分の「ピラジン」や渋味成分の「クエルシトリン」は、実は、大人になるにつれて感じにくくなっていくものなんだとか。

だから、ワタシたちはすっかり慣れっこになってしまっているピーマンの風味も、ひょっとしたら子どもたちからすると、信じられないぐらい大変なのかもしれないですね。

 

そして、この苦味成分はピーマンの中のわたや種、それに細胞の中に多く含まれています。

なので、ピーマンを料理するときには種とわたをしっかり取り除いて、細胞をつぶさないように縦方向に切ると、苦味があまり出ず、子どもたちにとって食べやすくなるんだとか。小さなお子さんがいる方は、ぜひ試してみてくださいね!